
いつまでも若々しく、美しく、そしてすこやかにいられるようにと、紫外線対策や保湿、食事、睡眠など、多くの方が美容や健康のために気を付けていることがあると思います。しかし、年齢を重ねるごとにその効果を実感できなくなったという経験はありませんか。実はそれ、細胞を包み込んでいる「細胞膜」の衰えが原因かもしれません。肌のうるおい、ハリ、バリア機能などを支えている「細胞膜のケア」が今、美容業界で注目を浴びています。そこで今月は、「細胞膜」とは何か、どのようにケアをしたら良いかについて特集します。
細胞膜とは
私たちの身体は約37兆個もの細胞で構成されていると言われています。肌も細胞の集合体で、その細胞は「細胞膜」と呼ばれる非常に薄い膜に包まれ、内部の水分や栄養を守りながら、外部からの刺激をブロックしています。この細胞膜がしっかりしていれば、肌はうるおいを保ち、ハリやツヤを維持できます。逆に、細胞膜が弱まると、肌が乾燥しやすくなり、外的刺激に敏感になり、肌の老化が加速してしまうのです。

年齢とともに細胞膜が弱くなる?!
年齢を重ねると、どうしてもシワやたるみといった表面の変化に目が行きがちですが、本当に大切なのは肌の土台を支える「構造」=「細胞のすこやかさ」です。細胞が元気であれば、ターンオーバーが整い、保湿機能も正常に働き、結果としてハリがある、透明感がある、化粧ノリがいい、といった若々しさに繋がります。つまり、老けない肌とは、元気な細胞が集まった肌ということです。「細胞の元気さ」を保つカギとなる「細胞膜のケア」は、その第一歩なのです。しかし、年齢を重ねることで、細胞膜を構成する脂質のバランスは崩れやすくなります。特に、体内で必須脂肪酸から作られるγ-リノレン酸という成分が不足しがちになります。γ-リノレン酸はすこやかな肌に欠かせない重要な成分のため、しっかりと補給することが大切です。
美容業界でも注目の成分「γ-リノレン酸」とは?
γ-リノレン酸は、月見草の種子やボラージオイルなどに含まれる脂肪酸の一種で、ホルモンバランスや肌の保湿機能をサポートします。乾燥による肌のカサつきやかゆみを和らげる効果や肌のバリア機能の強化にも役立つとされ、敏感肌や年齢肌のケアで注目を集めています。γ-リノレン酸を十分に含んでいる細胞は、細胞膜の柔軟性が高くなり、水分や栄養の受け渡しがスムーズになります。どんなにスキンケアに気を遣っていても、効果を実感しにくい方は細胞膜が硬くなってしまっているかもしれません。そのような方は特に、細胞膜を柔軟に保つ「細胞膜ケア」が重要です。
肌に与えるケアでダイレクトに「細胞膜ケア」
近年、γ-リノレン酸をスキンケア成分として肌に直接届けるオイルやクリームも登場しています。乾燥しやすい目元・口元や、季節の変わり目に不調を起こしやすい頬など、お悩みが出やすい部分にピンポイントで使えるのも嬉しいポイントです。
やさしく肌になじむオイルタイプなら、
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・ブースターオイルとして
・スキンケアの最後に保護膜として
・マッサージオイルとして使うのもおすすめです。
オイルと聞くとベタつきが気になるかもしれませんが、γ-リノレン酸を含む植物性オイルは軽やかで肌なじみが良く、しっとりするのに重たくない使用感が特徴です。浸透率が非常に高いため、塗るだけでしっかり肌の奥まで浸透して細胞膜の柔軟性や強化に働きかけ、加齢によるトラブルや外的刺激に負けない肌を目指すことができます。
~赤ちゃんにも必要なγ-リノレン酸~
γ-リノレン酸は母乳にも含まれる成分で、まだ抵抗力の弱い赤ちゃんにとっては、皮膚を正常に形成し、バリア機能を高めるために必要不可欠な成分です。産後に髪が抜けやすくなったり、アレルギー体質に変化したりなど、産後ならではのお悩みも多くありますが、それは体内のγ-リノレン酸が母乳と一緒に外に出てしまい、体内のγ-リノレン酸の割合が減ってしまうからです。それだけγ-リノレン酸は、赤ちゃんにとっても大切な栄養素なのです。

肌のコンディションは、見えている表面だけでは判断できません。肌の土台である「細胞」や「細胞膜」が、毎日あなたの肌を支え、守り、輝かせようと働いてくれています。だからこそ今、「細胞膜ケア」が注目されているのかもしれません。γ-リノレン酸を味方につけることで、乾燥や年齢サインに負けない「深から整った肌」へと導いてくれるでしょう。