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お口の菌活?!「口腔内フローラ」とは?

近年、腸活が話題となり、「腸内フローラ」という言葉を耳にする機会も増えてきたかと思いますが、「口腔内フローラ」をご存知でしょうか?口は身体の玄関口とも言われており、実は「口腔内フローラ」は全身の健康にも関わると言われています。そこで今月は、まだあまり知られていない「口腔内フローラ」について特集します。「口腔内フローラ」への理解を深め、爽やかな口腔環境とすこやかな身体づくりを目指しましょう。

「口腔内フローラ」とは?

私たちの体内にはたくさんの菌が棲息しており、口腔内には約300~700種類、100億個以上もの常在菌が棲息していると言われています。これらの常在菌の様子を「口腔内フローラ」と呼びます。口腔内の常在菌にも腸内細菌のように善玉菌、悪玉菌、日和見菌が存在しています。これらの「口腔内フローラ」のバランスが崩れ、悪玉菌優勢の状態になると、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。

理想の口腔内環境

ここで、口腔内の悪玉菌を「泥棒」、善玉菌を「警察」、フッ素などで歯を強化することを「鍵をかけること」と例えて考えてみましょう。いくら鍵をかけることを徹底しても泥棒がいる限り、被害はなくなりません。そして、泥棒に入られて壊された窓や家の中を修復したら、もう二度と被害に遭わないかというとそうではありません。むしろ一度被害にあった家はまた狙われやすくもあります。大事なのは、警察を増やして泥棒の動きを抑制することです。口腔内に言い換えると、いくら歯磨きを徹底しても虫歯菌が存在する限り、虫歯はできてしまいます。できてしまった虫歯を治療しても完全に治ったのではなく、むしろ一度虫歯になった歯はまた虫歯になるリスクが高いです。そこで、口腔内の善玉菌を増やして虫歯菌を抑制するということが大切なのです。

「口腔内フローラ」を整えて大切な歯を守りましょう

健康を維持するためには丈夫な歯を保つことも大切です。歯が丈夫でないと食べ物を上手く噛めず、自浄作用をもつ唾液が分泌しにくくなります。食べ物を上手く噛めないことで食が細くなり、心身の健康状態にも関わります。そんな大切な歯が抜けてしまうのは実は加齢は関係なく、虫歯菌と歯周病菌が原因です。そして虫歯菌と歯周病菌の増殖を防ぐために、「口腔内フローラ」を整えることが大切なのです。歯周病菌は口臭の原因にもなるため、「口腔内フローラ」が整うと口臭予防にも繋がります。

「口腔内フローラ」を整えるには

「口腔内フローラ」のバランスを整えるために気をつけたい3つのことをご紹介します。

➀殺菌剤を含んだ歯磨き粉や洗口剤の使用を控える

口腔内の食べかすなどをエサにして悪玉菌は活発になります。それを除去するために歯磨きをすることは大切ですが、多くの歯磨き粉には殺菌剤が含まれています。また、殺菌剤配合の洗口液を用いて口腔内の不快感や口臭を解消しようとする方もいると思います。しかし、口腔内を殺菌し過ぎると善玉菌まで一緒に減らしてしまい、「口腔内フローラ」のバランスが崩れてしまいます。殺菌剤不使用の歯磨き粉や洗口剤に変えてみるなど、口腔内は必要以上に殺菌せず、善玉菌を育てることを心がけましょう。

②糖を摂り過ぎない

糖は虫歯菌の栄養になります。糖を摂り過ぎると虫歯菌が活発になり、歯の表面を溶かしてしまうこともあります。

③食生活

食べるものを意識したり規則正しい食生活を送るよう気をつけたりすることも「口腔内フローラ」を整えることに繋がります。乳酸菌は腸内環境を整えるうえで重要な菌であることは広く知られていますが、実は口腔内においても有益な菌です。積極的に摂るようにしましょう。また、よく噛んで食べることも大切です。そしゃく回数が増えることで唾液の分泌も増え、「口腔内フローラ」を良好に保つことができます。

そしゃく回数を増やし、唾液の分泌を促すおすすめ食材食物繊維を豊富に含むきのこ類や海藻類、野菜など

唾液の分泌を促すおすすめ食材梅干し、果物、海藻類など

 

「正しい歯の磨き方」

歯磨きは、歯の表面に付着した汚れや歯と歯の間、歯と歯茎の間に残っている食べかすなどを取り除き、虫歯や口臭を予防するために行います。幼い頃からの習慣で、意識せずなんとなく歯を磨く方がほとんどかもしれませんが、正しい磨き方でしっかり磨けているでしょうか?一度鏡を見て確認しながら磨いてみましょう。

➀歯に合わせて最適な磨き方で磨く

歯の位置や形、歯並びに合わせて最適な磨き方を選びましょう。

スクラッピング法

歯の表面に対して垂直に歯ブラシの毛先をあてて磨く、最も基本的な磨き方です。歯の表面に付着している汚れを落とします。

バス法

歯茎に対して45度に歯ブラシの毛先をあてて磨きます。歯と歯茎の間の汚れを落とします。

縦磨き

歯ブラシを縦にして磨きます。スクラッピング法では落としにくい、歯と歯の間の汚れを落とします。

②軽い力で磨く

歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で磨きましょう。

③小刻みに動かす

5mm程度の幅を目安に小刻みに動かして、1本1本丁寧に磨きましょう。

スキンケアアドバイザー
「口腔内フローラ」を整えるには、必要以上に殺菌をせず、善玉菌を育てることが大切です。 今話題の菌活としてお口の菌活も実践し、「口腔内フローラ」のバランスを整えて爽やかな口腔環境とすこやかな身体づくりを行いましょう。

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